農業廃棄物や木材くずなどの削減に取り組む米Air Burnersは2023年5月、バージニア州ハリソンバーグ市でのバイオ炭の製造デモンストレーションで、世界初となる同社の新たな移動式バイオ炭製造システム“CharBoss”が成功を収め、そのパワーと費用対効果が実証されたことを発表しました。
CharBossを始めとする同社のBossシリーズは、農業廃棄物や木材くずなどを大気汚染を防ぎながら効率的に燃焼させるAir Curtain Burner(エアカーテン・バーナー)と呼ばれる装置で、遠隔地や険しい地形でも、操縦が簡単で、コスト効率が高く、環境にも優しい機械とうたわれています。
中でもCharBossは、米国農務省森林局との提携により開発が重ねられ、植物性廃棄物からバイオ炭を自動的に製造できるように設計された完全自給型のトレーラー式システムです。これまで主に山火事予防などに使用されてきましたが、今日では建設業や農業の分野で活用されています。
1時間当たり最大2トンの燃焼速度を持ち、木質バイオマスから木炭を分離し、冷却されたバイオ炭をつくり出します。約80%の植物性廃棄物が除去され、20%がバイオ炭に変換されるとしています。
また、農業用や大型で運搬可能な焼却炉に比べて、ブラックカーボンのような有害な粒子状物質の発生が少なく、公害防止にも役立ちます。地上で使用する一体型の設備であるため、木材を粉砕する必要も、廃棄物を処理場へ運搬する必要も、常設用の施設も必要ありません。
同社はCharBossを、温室効果ガスの削減と土壌生産性の向上を可能にする木材処理の革新的ソリューションであるとし、次のような可能性を示しています:
煙などの排出に関する規制上の懸念を軽減すると同時に農家に炭素クレジットの機会を提供する
土壌有機物、土壌の保水力、土壌栄養素の交換性を高めるバイオ炭をつくりだす
米国農務省のプログラムを通じた資金提供を受ける
<参照情報>
Charboss, the World’s First Mobile Biochar Production System, Was Put to the Test—and Passed with Flying Colors.
Boss Series
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