ヤンマーホールディングスは2023年10月17日、グループ会社であるヤンマーエネルギーシステム(以下、ヤンマーES)が、もみ殻バイオ炭製造装置の実証試験を本格開始したことを発表しました。もみ殻を活用した循環型農業と、バイオ炭の土壌施用による脱炭素化への技術確立を目指します。
もみ殻は、かつては野焼きによって処理されていましたが、現在は野焼きは禁止されているため、処理方法が課題となっています。また、適切な処理をしなければメタンガスなどが発生することから、環境負荷低減も求められています。
ヤンマーESでは、もみ殻をガス化して発電するシステムを開発し、滋賀県彦根市にあるフクハラファームにおいて、2019年8月から発電を行っています。このシステムは、もみ殻をガス化して燃焼させるもので、熱電併給も行うことができます。燃焼後に発生する副産物で、バイオ炭である「くん炭」は、無害かつ肥料としての成分を含んでいることが確認されています。
今回の実証実験では、発電システムのバイオ炭製造部分に着目して、もみ殻バイオ炭製造装置の開発を進め、2024年9月に商品化することを見据えています。実証実験の期間は2023年10月から2024年8月の予定で、年間に処理できるもみ殻量は400トン、製造されるもみ殻バイオ炭は年間100トン、炭素固定量にすると117t-CO2になります。
<参照情報>
(1) プレスリリース(2023.10.17)
もみ殻処理と脱炭素の課題を解決する 「もみ殻バイオ炭製造装置」の実証試験を開始
(2) プレスリリース(2019.11.14)
資源循環型農業を実現するもみ殻ガス化発電システムの実証を開始
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